
長期金利の上昇を受けて、固定金利が少しだけ上がっているのだという。一般的な住宅ローンの借主は、ほとんどは変動金利を利用していると言われる。ネット銀行などは、超低金利で貸し付けており、言っちゃあなんだが、金利はタダの状態に近い。そのようにしてお金を借りてしまっている人々には、少しの金利上昇の兆しが見え始めただけで、かなりの不安に陥ってしまうものらしい。もちろん僕もその一人ではあるのだけれど……。
お金を借りたら返さなければならないというのは、別段ユダヤ人が発見しなくとも、誰かが何らかの形で課しただろう発想だと思う。いかにも人間らしいものごとの捉え方だからだ。物々交換であっても、等価であるから行われるというよりも、どちらかか、どちらかともに、これを価値以上に思っていたから行っていたものと言える。場所によっても、ものの交換率は違ったはずで、それは貨幣への考えの基本となったことだろう。ものの価値が貨幣と交換できるようになると、ものよりも交換可能な貨幣自体を貸し借りするということが行われる。それに時間を掛け合わせて金利を編み出すところに、確かにしたたかさを感じさせるところがある訳である。貸した金以下の回収しかできなければ商売にならないので、貸した金以上はかえってこなければ貸す意味がない。超低金利だからと言って貸した以上は返してもらいますからね、と約束させられていることに変わりがない。もっとも貸し倒れは貸した側が最も恐れることでもあるから、そのあたりのさじ加減を考えると、借りている方もいくらか心理的な防衛ができるのではあるまいか。
報道にあるように国の長期金利の上昇を受けて、固定金利のみが連動をみせている訳だ。貸している側が独自に金利上昇をさせる可能性は、極めて低いのではないか。超低金利でも利益を出しているところを見ると、相当の資金を相当の広い範囲に貸し出していることは間違いない。利幅が少なくても、ネットなどのコストを掛けずに貸し出した資金をバラまいていたわけで、それらが少しでも焦げ付いて回収が滞ってしまうと、そのためのコストがさらにかかることになって、やっぱり金利を本格的に立て直して上げるようになる、ということも無いではない。借りている方がむやみに動揺せずに返していけるようなら、大きな金利変動へと動きにくくなるものとも考えられる。まあ、そうあっても欲しい訳だが。
今のところ変動金利においては、あまり反応していないように見える。それだけ資金はだぶついているわけだが、そうするとひょっとすると、というのはバブルがある。限界が来るまでは調子がいいのは間違いなくて、はじけると一気に上昇し、次々に破綻してしまうことになる。考えにくいことだから、皆が考えないだけのことで、そうなっていないことを祈っているしか、ないのかもしれない。少なくとも借りている期間が終わるまでは……。