2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧
エスター/ジャウム・コレット=セラ監督 すでに子供は二人いるものの、三人目の流産の記憶が痛手になっている妻のことを思い、孤児院からちょっと個性的な女の子を迎え入れることにする。ロシヤをルーツにする子のようで、ちょっとファッションセンスなど変…
先日新聞のエッセイを読んでいて、またか、というような印象を受けた。正月の箱根駅伝で優勝した監督が、走っている選手に激励の声を掛けて「男だろ!」と励ましたことにショックを受けて、あれこれ考えたことを記しておられた。このニュースは様々なところ…
マイ・ブロークン・マリコ/タナダユキ監督 OLのシイノは、テレビニュースで親友と言える友人が自殺したことを知る。死んだマリコは、父親からなどの虐待を受けながら育った経緯が順に明かされる。せめてマリコの遺骨だけでも取り戻したいと考えたシイノは、…
飲んでいるときに野球や政治の話は禁物とされる。+宗教もかもしれない。実感としてそれはよく分かるわけで、言いたいことはあるが、相手次第では口をつぐむことになる。納得できない自分に苦しむが、しかしいつも喧嘩をしたいわけではない。平和の方が大切…
LAMB/ラム/ヴァルディミール・ヨハンソン監督 舞台はアイスランドあたりの山あいの牧場。あたりには他に人の住んでいる気配すらない牧羊の地であるようだ。吹雪の夜、山から何かがこの牧場へやって来る。羊たちはおびえ逃げようとするが、一匹だけ痙攣して…
いじめの記号論/山口昌男著(岩波書店) 著者山口自身の書いたいくつかの著書を底本として語られた複数の講演をまとめたものであるらしい。ですます調の口語調で書かれているが、しかし当然手直しもなされているものであろう。口頭での勢いもあり、確かに話…
スーパーノヴァ/ハリー・マックイーン監督 キャンピングカーで旅をする二人は、長年連れ添った夫婦のような同性愛カップルである。どうもこの旅は、若い頃に訪れた場所をめぐっているものでもあり、そうして片割れのサムの実家であり姉の家への訪問でもあっ…
地球―その中をさぐろう―/加古里子(かこさとし)著(福音館書店) 絵本。しかし題名の通り地球のことを描いたもので、特に地球の地面からその下の世界のことを説明してくれる。物語があるとしたら四季を通してということになるが、それはあくまで説明上の時…
スイッチ/月川翔監督 テレビドラマらしい。ネットフリックスで観た。以前長い間恋人どうしであった検事と弁護士の二人だが、現在はお互いに結婚を前提につきあいのある相手がいる。それでも友達としての間柄は続いている。もっともそれは秘密にはしているわ…
送別の餃子(ジャオズ)/井口淳子著(灯光舎) 副題「中国・都市と農村肖像画」。著者は中国の民族音楽の研究者で、おそらく何かの楽器も演奏できる人のようだ。80年代の終わりころから中国に縁あって通いだし、フィールドワークを通して研究を続けてきた…
ベイブ/クリス・ヌーナン監督 1995年の映画。BS放送を録画して観た。当時は結構話題になり、続編も作られた。 養豚場の豚として生まれたオスの一匹が、お祭りの景品としてある農場に引き取られた。様々な動物たちと交流しながら成長する中、ひょんなことか…
NHKでやっていた立花隆の追悼番組のようなものを観た。若い頃には僕もファンだったので、亡くなってしまって寂しいものを感じる。また、生前のことづけで、死後膨大な蔵書をすべて処分していたことを知り、少なからず驚いた。立花の仕事場である猫ビルは有名…
アウトポスト/ロッド・ルーリー監督 アフガニスタン北部の米軍野営基地攻防戦を描いた作品。実話に基づいているものらしい。日常的にタリバンからの砲撃を受けるほか、地形が谷底になっていて、包囲されると逃げ場がない。最初から危険な場所であることが分…
ジェフ・ベックが亡くなった。ショックと言えばそうだが、78歳ということだから、ロックスターなので長生きだろう。昨年もツアーやったり他のプロジェクトの録音があったり活躍している様子だったので、意外性はあるにはあったが、亡くなるにはおかしな年…
マスカレード・ナイト/鈴木雅之監督 ホテルに殺人予告が来たことにより、警察とホテルマンが協力して犯人を見つけようとするドラマの二作目。いわゆる近年盛んになっているテレビ局による映画作品なので、俳優陣がテレビでおなじみのキャストになる。とはい…
僕はいわゆるグルメな人ではないし、食べ物に関してはおおらかな人間だと思うが、だからと言っておいしいものを食べたくないわけではないし、不味いものに平気なわけではない。そんなことは考えなくても当たり前のことだと思うのだが、どうしてもおいしいも…
MINAMATA-ミナマタ-/アンドリュー・レヴィタス監督 従軍カメラマン、または報道カメラマンとして著名だったユージン・スミスが、水俣を撮った逸話を映画化したもの。カメラマンとしては超一流の芸術センスを持っているユージンだが、性格はかなり破天荒だ…
パソコンというのは、何か定期的に具合の悪くなることがあるようで、いつものように操作しているはずなのに、いつものようには動かないということをする。おや、と思ってその不具合を何とかしようと奮闘していると、今やっている作業自体に大きな支障を伴う…
Red/三島有紀子監督 夏帆と妻夫木聡の恋愛劇が軸。この二人は過去にも不倫をしていたらしく、そうして別れて夏帆は結婚していたが、再度出会ってまた不倫を始めてしまった。まあ、どうしようもないカップルなんだが、事情が事情なんで切ないのである。情…
彼岸花が咲く島/李琴峰著(文藝春秋) 彼岸花が咲く島に、ある日少女が流れ着いてくる。船が難破したのか、それにしてもどうして流れ着いたのか。理由は分からないが、傷ついて介抱されたのちに意識がはっきりしても、少女の記憶は元には戻らなかった。島は…
マンク/デビッド・フィンチャー監督 ゲイリー・オールドマンが終始タバコをふかし酒を飲んでいる。マンクというのは、マンキーウィッツという著名な脚本家の愛称である。あんまりおもしろい映画とは言えないが、アメリカではダントツに批評家からの評価が高…
まったく今頃になってという感じで人には言えないのだが、ビリー・アイリッシュが良かったりする。先日ラジオだったか雑誌だったかで、ラーキン・ポーが、ふだんはビリー・アイリッシュなんかを聞いててサイコー、なんてことを言ってるそうだった。僕はラー…
レイクサイドマーダーケース/青山真治監督 私立の名門中学受験のために、親子ともども学習合宿をしている(親も面接など受験対象だということだろう)。教えているのも名門塾の講師である。実は不倫している並木という男に、仕事の資料を届けにその不倫相手…
まったく目にしなくなったわけでは無いが、比較的大きなニュースであるにもかかわらず日常的には気にしてない風になってしまったものが、ロシヤとウクライナ戦争かもしれない。「紛争」という表現も聞かれるし「侵攻」も使われている。相変わらずひどい状況…
漁港の肉子ちゃん/渡辺歩監督 アニメ映画。原作小説があるらしい。惚れっぽいが男に騙されやすく、さらにその為に借金などを背負い、苦労して水商売などを転々としてきた太った母親がいる。よく食べて太っているので肉子ちゃんである。その娘の喜久子は(実…
年末年始は、冬のスポーツが目白押しで見るのに忙しい。僕はふだん民放の番組はほとんど見ないが、スポーツなら録画して見ないことは無い。時間帯が合わない場合もあるので録画は仕方ないが、たくさんたまってくると、どうしても見てないものの結果が先にわ…
犯罪都市/カン・ユンソン監督 地元組織の抗争のある中、中国からの新興勢力が現れ、その均衡が破れる。ヤクザ顔負けの力でねじ伏せる刑事の躍動があって、なんとかこの混乱を収めようと躍起になるのだったが……。 破天荒な刑事役をしているマ・ソンドクの魅…
日本人にとって英語は難問だが、英語自体も様々な問題に直面して、いわば悩んでいる。共通言語になりつつありながら、ネイティブではかえって通じない多様な英語になる理由とはいったい何だろう。英語のアポリア/トム・ガリー著(研究者) 勉強なんてものは…
あさがくるまえに/カテル・キレヴェレ監督 早朝からサーフィンをやった帰りに事故を起こして、脳死状態に陥る青年がいた。当然両親は悲しみに暮れる。過去のエピソードに戻り、付き合っていた彼女とのいきさつも分かる。それらの幸福な時間が、突然に途切れ…
普通に生活していくうえで、まず読むべき本はこれである。ガツンと来るけど、これが理解できなければ、せっかく人として生まれてきた甲斐が無いかもしれない。この本は、昨年読んだ中で、一番人にお勧めできるもののベストである。ここまで書いても、読まな…