2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
RAW 少女のめざめ/ジュリア・デュクルノー監督 フランス映画。菜食主義者だった娘は、姉も両親も通う獣医学校に通うことになり、そこで新入生への通過儀礼として生肉を食べなければならなくなり、やむなく口にした。その後激しいアレルギーのような拒絶反応…
99%の誘拐/岡嶋二人著(講談社文庫) 題名の通り、誘拐事件ミステリ作品である。それも、何と二件も誘拐事件が起こるのである。時をまたいで起こる誘拐事件なのだが、ちゃんとこの事件には関連がある。それぞれの誘拐のトリックも素晴らしいが、後半のアク…
まだ断りを書くべきなのかというのはあるが、個人的にはすでに何の抵抗も感じていないものを書くというのは欺瞞がある。僕は88の母と同居しているし、仕事柄多くの人とも接しなければならない立場でもある。だからこそ軽率ととらえる人もいるのかもしれない…
別段なめていたわけではないが、ちょっと反省したというか。 実はできてから初めて、大村の「ミライON」に行ったのである。名前が気に食わないというのはあるが、だからと言ってそれは理由ではない。ふつうに僕の周りでは、図書館という人が多いので、問題は…
別段なめていたわけではないが、ちょっと反省したというか。 実はできてから初めて、大村の「ミライON」に行ったのである。名前が気に食わないというのはあるが、だからと言ってそれは理由ではない。ふつうに僕の周りでは、図書館という人が多いので、問題は…
ファントム・スレッド/ポール・トーマス・アンダーソン監督 完璧な仕事をこなすことでたいへんに人気のある仕立て屋のウィルコックは、仕事の鬼ではあるが、ものすごく変わっていて偏屈だった。そんな男が田舎のあるホテルに泊まった折、ウェイトレスと懇意…
夏の甲子園大会の中止のニュースは、少しばかり潮目の変わり方を感じさせられるものだったかもしれない。中止になる予告があったので、僕自身は何の驚きも覚えなかったのだけど、世間的な空気として、これは少し違ったものであったのだろう。 夏の甲子園とい…
サッドヒルを掘り返せ/ギレルモ・オリベイラ監督 ドキュメンタリー映画。マカロニ・ウェスタンの名作といわれる「続・夕陽のガンマン」のロケ地において、撮影当時の埋もれていた墓所を再現するために、ファンが集まって遺跡発掘みたいに掘り起こしていく物…
すごいトシヨリBOOK/池内 紀著(毎日新聞出版) 著者は昨年78歳で没。ドイツ文学者として著名で、エッセイも人気があった(よく雑誌で目にしていた)。ラジオなどでも取り上げられて人気のあった本らしい。この本は語り起こしのようで、編集者が上手くまと…
英国総督 最後の家/グリンダ・チャーダ監督 インドを統治していたイギリス人の最後の総統の着任の物語とともに、インド独立にかかるパキスタンとの分離のいきさつを描いている。宗教もあるが、当然このために引き裂かれる運命の人々もいる、様々な思惑の中…
おかしな二人/井上夢人著(講談社文庫) 副題は「岡嶋二人盛衰記」。岡嶋二人というのは推理作家のペンネーム。そしてその名前の通り二人が合作して推理小説を書いていたコンビの名前だ。僕はちょっと前に彼らの作品である「チョコレートゲーム」を読んでお…
マスカレード・ホテル/鈴木雅之監 連続殺人が起こっている。殺人現場には謎の数字が残されており、解析すると座標表になっていて、緯度と経度の交わる場所が示されていると考えられた。そう考えられると、次の犯行予告の場所とも読み取れることが分かり、そ…
女王陛下のお気に入り/ヨルゴス・ランティモス監督 18世紀英国宮殿内の物語。父の破滅で没落貴族となり平民に成り下がったアビゲイルだったが、王室にいる従姉のサラを頼って宮廷での仕事にありつく。同僚からは嫌われている様子で境遇も最低だったが、傷を…
飛んで埼玉/武内英樹監督 原作漫画があるらしい。パタリロの作者なので、見当はつくが、未見。ギャグ映画なのでかなりハチャメチャなので、正確にスジを説明してもどうかという展開。要するに現実の関東地区の埼玉という土地柄から想起した、東京を円周的に…
ビクトリア女王 最後の秘密/スティーブン・フリアーズ監督 女王即位50周年に当たり、英国領のインドからメダルの贈呈を行うことになり、その使者として英国に行くように命じられた若者が、その率直な性格を女王から気に入られ、そのために英国王室を騒動に…
ラーメン食いてぇ!/熊谷祐紀監督 遠くモンゴル秘境で事故にあい、一人の美食評論家だけが生き残り放浪している。息も絶え絶えだったが、もう一度清蘭のラーメンを食べたい一心で力を得て生き延びる気力を振り絞っている。一方その清蘭というラーメン屋の爺…
SINGLE TASK 一点集中術/デボラ・ザック著(ダイヤモンド社) 内容ははっきりと書名の通り。そもそも人は複数のことを同時にできないし、そうであるからには一つのことに集中しようというもの。そうして、一つのことに集中出来たら、結果的には効率的に、物…
ラヴィ・ド・ポエーム/アキ・カウリスマキ監督 売れない貧乏作家は、とうとう住んでいるアパートから追い出される。放浪していると、売れない画家と知り合い、自分のアパートに戻ってみるのだが、そこにはやはり売れないミュージシャンが新たな借り手として…
アップルと月の光とテイラーの選択/中濵ひびき著(小学館) 実はこの小説は翻訳もの。著者はこの作品を16歳で書き上げたという。英国で幼少期を育ったため、母語が英語であるらしい。そうやって英語で書いて翻訳ソフトで日本語化して、この本の出版社が主催…
三木成夫は、最も生前に会ってみたかった人である。何しろ講演の名手であって、普通の授業(講義)であっても、感動のあまり泣き出してしまう学生がいたという伝説の人だ。持っているはずだが「胎児の世界」という名著があり、これも読んでいるが、この内容…
パンズ・ラビリンス/ギレルモ・デル・トロ監督 内戦下のスペインが舞台のようだ。父は死に、母の再婚相手がスペイン軍隊の大尉で、母はこの大尉の子供を身ごもっている。それで、大尉の勤務している森の要塞へ転居してくるところから物語が始まる。少女はフ…
そもそもの話なんだけど、本を読む前に本を選ばなければならない。そんなのは自分の感性に任せて自由にやるべきだ、という意見がありそうだというのは分かる。しかし、僕は新聞の書評はいつも楽しみに読んでいるし、雑誌の書評であってもそうだ。ブックレビ…
BSのカバーズという番組で、松本隆の特集のようなことをやっていた。もともとこの番組は楽しみにして観ているが、これはちょっと特別感がある。もともと松本隆はたくさんの詩を書いているし、そうしてその曲自体がヒットしたというのがごまんとある。いわゆ…
今回は、漫画です。文学と比べて漫画が劣るということは無いし、むしろ日本においては特に、漫画世界に文学世界の才能がなだれ込んでいるのではないか、と思えます。いったんしか紹介はできませんが、きっと世界が広がるはずだという確信を持っているのです。…
グリーンブック/ピーター・ファレリー監督 腕っぷしの強さを買われて用心棒などで食っているトニーだったが、ある事情で職を失う。紹介する人があって、黒人の音楽家ドクター・シャーリーのツアーの運転手をすることになる。ときは60年代のアメリカ。南部を…
エトガル・ケレットはイスラエルの作家である。日本ではそうでもないかもしれないが、世界的なベストセラー作家だ。そうして本人自体も、たいそう風変わりな人だ。彼自体も面白いが、当然この短編が不思議な味わいがあって面白がられている。星新一のように…
フレンチアルプスで起きたこと/リューベン・オストルンド監督 スキー場に隣接したリゾートホテルに家族四人でバカンスに訪れている。このスキー場では、危険防止のために斜面などにたまった雪を、人工的に雪崩を起こして除去しているようすだ。家族連れはテ…
筒井康隆は僕の子供のころから人気作家で、当時は特にSF作家と認識していた。しかしながら実際はものすごく幅が広くて、ドタバタギャグも多いしパロディもあるし評論もあるし冒険ものだってある。読まない時期もあったけど、本棚には結構筒井の作品があるの…
僕はいわゆる美食家ではない。だからと言って何を食べてもいいという気持ちではないけれど、いわゆる美食家に対して憧れも無いし、そのような生き方を今後もしないのではないかという予感がある。もちろん、大枚はたいてそのようにできる素養が無いというの…
最初に種明かしをしてしまうと、和田誠が紹介していたので読んだわけだ。僕は正直に言って、学生時代にヘミングウェイを読んだときは、途中までで挫折した。キリマンジャロの雪とか、短いものは数編読んだが、長編はダメだったのである。文章が上手いという…