かわせみ側溝から

志は低空飛行 

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

そこまで恐ろしくないが、恐ろしいかもしれない   だれかの木琴

だれかの木琴/東陽一監督 夫と中学生の娘のいる専業主婦の小夜子は、何気なく入った美容室でイケメン男性にカットされる。営業のお礼メールが携帯に届くが、そのメールに律義に返信をするなど、ちょっと変わった客だと認識される。その後小夜子は、またそう…

お疲れ様でした。次に期待しましょう

安倍政権の在任任期の長さという点では、確かに日本という国においては、最長であることに間違いはない。要するにそれだけ異常に長く続いたとするような言い回しはよく聞く。しかしながらその長さという尺の解釈は、ちょっと近視眼的であるような気もする。…

選択できることが日常を維持する

もういいか、とは思いながらも影響を受け続けている毎日である。うんざりさせられながらでも無視ができないというのは、そういうことに巻き込まれながら、下手に手を打てないからである。まったく無意味に近いとは知りながら、時と場所においてはマスクをし…

詳しく読むは、面白きかな   くわしすぎる教育勅語

くわしすぎる教育勅語/高橋陽一著(太郎次郎社エディタス) 表題の通りの本で、教育勅語について詳しく解説を施した本。まずは教育勅語自体を読んでいって、何がどういう意味で書かれているかの解説がある。この本の本文として、それだけでも十分に面白いし…

自国の情けなさをよく知っている   トンネル 闇に鎖された男

トンネル 闇に鎖された男/キム・ソンフン監督 主人公の男は、いい契約が取とれたし、なかなかの上機嫌である。そうして娘の誕生ケーキも買って、意気揚々と帰宅途中でトンネルを通過していたら、崩落が起こり車に閉じ込められてしまう。何とか携帯電話は使…

単に僕が読めなかった漢字

先日テレビを見ていたら、リーダーといわれている城島茂が出てきた。軽くびっくりしたのは、彼が呼ばれているときに「ジョウシマ」という発音だったからだ。名前が以前と変わったということは考えにくいので、彼の名前の発音はずっとジョウシマさんだったの…

結婚生活としての鬱   ツレがうつになりまして。

ツレがうつになりまして。/佐々部清監督 原作はコミックエッセイで、数冊存在するようだ。テレビドラマ化もされている。実はこの映画2015年にも一度観ているらしい。細部は忘れてしまったのでかまわず観てしまった。アマゾンプライムではよくあることになり…

社会に背負向けても、迎合しなくても、受け入れられる音

妙なご時世になっているとはいえ、音楽はそれなりにふつうに聞けるというのはある。もともと田舎暮らしなので、そういうあたりは何の関係も無いということなんだろうか。しかし、ちょっとだけ以前より画像検索なんかしたりしているようで、やはりそういう部…

暴力の連鎖を止めよ   パーフェクト・ワールド

パーフェクト・ワールド/クイント・イーストウッド監督 脱獄した二人組は、最初からうまが合っていない。家宅侵入した家で相方が欲情してしまい、家事をしていた女性を襲おうとする。それを止めようとしてごたごたしたが、結局そこの少年を人質に逃避行とな…

もう海には行きたくない

毎日暑い夏の日々である。こう暑くては何もする気になれないのだが、しかし以前はそんなことは無かったのである。以前といってもずいぶん以前で、要するに若い頃である。若いというのは体力があるので、暑くてやりきれなく怠いといっても、夏の暑いさなか泳…

蛇が来たら困ります   蛇のひと

蛇のひと/森淳一監督 その課ではベテランになっているOLの三辺が会社に行くと、部長は自殺したらしく、自分の直接の上司である今西課長は横領の疑いのある中失踪してしまったという。上層部に呼ばれて事情を聴かれるも、実際のところ今西課長のことなんて何…

持ってるけど使ってなかったエコバッグ

実は僕だってエコバッグを持ってないわけではない。 ペンギンの方は息子からのプレゼント。 黄色い方はイケヤ(ア、という人もいるが、僕はアメリカナイズされていない)。ずいぶん前に買い物に行った時のだから、ずいぶん古い。その頃はまだエコバッグの人…

人間が壊れるドラマ   クライマックス

クライマックス/ギャスパー・ノエ監督 なんか始まりもたらたらしているし、最高のフランス映画がどうとか肩書が多い。それでパーティでダンスが始まって、それはそれなりに見られない訳ではないが、別段ショーという訳ではなさそうだし、自分たちの余興が盛…

教育には有効な打つ手がちゃんとある   「学力」の経済学

「学力」の経済学/中室牧子著(ディスカバー) 教育に統計を使った調査を用いて、効果的な政策を打ち出すことの大切さを説いた本。実際には当たり前そうなことに過ぎないのに、どういうわけか教育の分野には、ちゃんとした調査に基づいた根拠(エビデンス)…

友情を大切にしながら恋をする   スパルタンX

スパルタンX/サモハン・キン・ポー監督 ジャッキー・チェン。ユン・ピョウ。そしてサモハン・キン・ポーが出演と監督を務めた作品。ちょっとバブリーに撮影場所をスペインのバルセロナで行っている。言語は広東語なので、適当に相手にしゃべらせて吹き替え…

人生楽しく生きたものの勝ちである   マリス博士の奇想天外な人生

マリス博士の奇想天外な人生/キャリー・マリス著(ハヤカワ文庫) 今では連日PCR検査という言葉を聞かない日がないような状態になっているが、そのポリメラーゼ連鎖反応の方法を開発したことで、ノーベル賞をとった著者が書いた本である。ちょっと風変わり…

人間なんてそんなもん、なのだろうか?   すべては海になる

すべては海になる/山田あかね監督 書店員の千野さんは、それなりの文学通でもあり、愛についてのコーナーを任されてもいる。そこに主婦らしき怪しい客がやってきて、万引きをする。何とか捕らえたと思ったら、盗んだ本が見つからない。後に本屋の廊下に落ち…

当たり前のことを確認しよう   自分をコントロールする力

自分をコントロールする力/森口佑介著(講談社現代新書) 副題に「非認知スキルの心理学」とある。有名なマシュマロ・テストというのがあるが、ご存じだろうか。お皿の上に一個のマシュマロを置いた状態で、子供に今マシュマロを食べるなら1個だけだが、10…

コンビは決まった人と組もう   僕たちのラストステージ

僕たちのラストステージ/ジョン・S・ベアード監督 大人気を博した伝説のコメディアン、ローレル&ハーディの晩年の姿を現したドラマ。事務所の契約の関係のこじれで、一度はコンビを解消していたが、全盛時代から時代を経て、16年後に再び英国の地で、コン…

みんなキューブリックになろう!

キューブリック作品の何を最初に見たのか、というのがはっきりない。多くの作品はそれぞれ見返しており、テレビなどの放送もあったし、借りたのもあって記憶が混雑している。白黒だったのかカラーだったのかさえ、よく思い出せない。しかしながらすでに評判…

いい嫁さんはいい幽霊になる   夫婦フーフー日記

夫婦フーフー日記/前田弘二監督 友達として17年、段々意識するというより、まあ結局やっと意識するようになって結婚し、すぐに妊娠が分かったが、同時に悪性腫瘍も見つかる。そうして出産後一か月で妻はあっけなく亡くなってしまう。ものすごい悲劇だが、そ…

住まいとしてのキャンピング・カーの使い道

モータリゼーションの普及とともに、娯楽としてのキャンプがもてはやされたというのが出発点でありながら、その当時の米国はそのまま深刻な不況に陥ってしまった。それでもキャンピング・カーは売れ続けたのだという。その理由は、家のローンが払えなくなっ…

爆弾処理・信念を持って働くおじさん

中東の戦闘地には、たくさんの地雷が仕掛けられており、また敵のアジト風の建物などというところにもたくさんの爆弾が仕掛けられている。車にも積まれているし、道行く人が、爆弾を体に巻いて自爆したりする。要するに爆弾だらけで、気にしていたらとても暮…

不幸の見本としての物語   幸福なラザロ

幸福なラザロ/アリーチェ・ロルバケル監督 水害か何かで隔離された集落の住民は、貴族の夫人に小作として働かされていたが、夫人のバカ息子の狂言誘拐事件で、違法で搾取されていることがバレてしまい解放される。事件の渦中で崖から落ちて死んだか何かして…

ミステリ作品と男女の機微   愛についてのデッサン 佐古啓介の旅

愛についてのデッサン 佐古啓介の旅/野呂邦暢著(みすず書房) 野呂邦暢が亡くなる一年前に出版された小説だという。一応一貫した流れはあるが、短編集といっていい。父から引き継いで古書店を営む若い男が、古書やその本にまつわる人々の関係で、父親の郷…

新型コロナの時代に合う作品   新感染 ファイナル・エキスプレス

新感染 ファイナル・エキスプレス/ヨン・サンホ監督 いろいろ事情のある人が乗っている高速鉄道列車だったが、ある感染症におかされている一人の患者が乗っていて、次々にその感染症が広がっていきパニックに陥っていくのだった。 一応感染症ということにな…

失われていく家族の強い愛

事情があって祖母の介護をすることになった、若者兄弟のドキュメンタリーを見た。あちらのドキュメンタリーには多いが、アナウンスでの説明がない。だから時々映されている側が不自然に説明したりするだが、ともかく間違いなければ、何らかのトラブルがあっ…

日本だと試合さえさせてもらえないだろう   がんばれベアーズ

がんばれベアーズ/マイケル・リッチー監督 いろいろと問題のある少年を集めたチームのコーチを頼まれたアル中のプール清掃員は、元マイナーリーグの選手だった。やる気も無いが金をもらった手前、どうしようもない少年たちを相手に曲がりなりにも指導するが…

蕁麻疹がでる

朝ごはんを食べて、座椅子に座って新聞やらテレビを見るのが日課なのだが、その日ふと右手の上腕部を掻いているのに気づいた。そんなに痒いと思ってはいなかったのだが、いつの間にか何度か掻いていて、そうしてひっかいた痕が赤くなり、それなりの範囲で蕁…

知恵と工夫で這い上がれ   パラサイト 半地下の家族

パラサイト 半地下の家族/ポン・ジュノ監督 おそらく家賃が安いためであろうと思われるが、窓の外が道路の路面より低い場所に住んでいる家族がいる。何とかバイトのような仕事で糊口をしのいでいるが、それぞれ低賃金の仕事にしかありつけないという感じで…