かわせみ側溝から

志は低空飛行 

行き当たりばったりひどい目に合う   リアリズムの宿 ☆☆

 


リアリズムの宿山下敦弘監督
 ☆☆

 

 

 

 原作がつげ義春の漫画で、それもエッセイめいたシリーズを用いているようだ。たぶん読んだことはあるが、つげが若いころのことだろうし、にわかには信じがたい宿巡りである。

 場所は限定してないのだが、映画ではわかる。山陰の海岸線と、それから山に登ったどこかだろう。駅に着いたが、誰も迎えが来ず、途方に暮れながら、映画のロケ地を探す。二人は有名ではないが、映画を撮るらしい。新人対象の映画コンテストか何かに出展し、お互いも作品を通じて知っている感じなんだろうか。

 ザクッとした目的の中さまよっているうちに、現地の不思議な人たちと、奇妙な会話を交わして、ひどい目に合う。というか、何とも気まずい。途中浜辺で、服や荷物や何もかも流されてしまったという女性を助けるが、しばらく一緒に遊んで、つぎのまちにも一緒に行こうと思っていたら逃げられてしまう。

 行き当たりばったりに行動して、とうとう金も底をついてきたらしいし、どうしたものかな、というまま、多分帰るんだろうが、放浪は続いていくわけだ。

 ある意味二人は仲が良くなり、そうしてこの不思議な体験が、自分の身についていく。ひどい目にあったのだけれど、これがまた同時に笑えるじゃないか。いや、笑うしかないという事ではあるのだが……。

 確かにつげ義春の作品自体も変だった。そういうものを実写化しても、そのまま変である。地元の協力もあって完成した映画ではあるが、関係者はこれを見て、頭を抱えたのではあるまいか。こんなんじゃ観光客なんて来ない。まあ、映画的には面白いので、目をつぶってもらいましょう。