かわせみ側溝から

志は低空飛行 

古くさく胡散臭い 悪魔と夜ふかし

 

悪魔と夜ふかし/コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ監督 ☆☆☆

 

 設定は深夜のトーク番組で、オカルトに関するものを扱っていて、同時にオカルトを科学的に検証しようという解説者との、一種のバトルのようなものをやっている最中の出来事を、いわゆる疑似ドキュメンタリ―として撮った作品。最初は番組のだいたいの紹介がなされて、トークショーの主役である司会者のことなど、概略が語られる。深夜番組の分野では人気があるが、しかしトップではない。そんな中最愛の妻を亡くしたともあるが、その時は一時的に視聴率が上がったものの、また下がり気味で、オカルトものは起死回生の意味合いが強いという事らしい。番組はスタジオに客を入れて、番組の音楽は生バンドである。要するに今どきとは違う古き良き時代(おそらく70年代)のお茶の間での定番人気番組という事らしい。日本ではこんなのあったのかな? さらに深夜だし。などとも思ったが、これがアメリカらしいというのかもしれない。

 最初からオカルト色は、なんとなく胡散臭い。しかし一応奇跡的なこととかショッキングなことが起こり、ちょっとした不穏さがスタジオを包むようになるが、そこでディレクターなどは調子に乗ってきているわけで、ちょっと引き返せない。そうして後半になって悪魔と交信できる少女がスタジオに現れるのであった。

 素直に言って、これがなかなかに面白いのでふしぎな感じがした。怖いものでは残念ながら無いのだが、なんというか、一定のカタルシスがあるのである。ちょっとこれは異常すぎてヤバい訳だが、しかしやっぱり胡散臭い。胡散臭いがそれがまた、いい味を出していて、それがやはりエスカレートしていって、せっかくだから悪魔には頑張ってくれよ、ってな気分になる。でもだからってこれに何の意味があるのか、それはやっぱりわからないのだった。

 だんだんと陳腐な文章になっていることは自覚している。しかし、映画自体もなんともチープな感じと、繰り返すが、まったく胡散臭いのである。そしてこの演技をしている俳優の、驚きと困惑の顔があって、自分の番組の視聴率が上がって欲しい欲求と、この番組がヤバいことになっていく困惑が、なんとも言えない味のあるものになっている。悪い人ではないのだろうが、俗なのである。そういう感じが悪く無いのであって、多少のノスタルジーが惹きつけているのだろうが、こんな時代が子供のころにあったんだよな、というのが、アメリカでない日本人の僕に対して訴えかけるものがあるということだろう。まあ、もう戻らなくていい時代ではあるんだけど。