
ブルーバック あの海を見ていた/ロバート・コノリー監督
ブルーバックとは、この映画でたびたび出てくる大きな魚の愛称のようなもの。ベラの仲間らしいが、1.5メートルにもなる巨大魚だ。この映画自体は、自然を楽しむという点ではそこまで悪い映画では無いのだが、環境保護という観点があるためか、かなり思想的には偏ったものがあるのが残念な感じだ。そういうのを含めたファンタジーだと割り切って観るよりないだろう。
美しい海沿いの高台に住む母娘がいて、素潜りでサザエなどを獲って生活しているのかもしれない。しかし同じ漁師仲間を監視している立場でもあり、かなり暇そうだ。娘は賢く絵もうまいので、将来的には海洋の何らかの研究者になっている。物語は、その娘の回想が主になっている様子だ。
美しい入り江は、自然の宝庫でもあるが、観光などの産業としても魅力のあるところなのだ。母娘は父親の意志も継いでいるということで、この美しい入り江と海の自然を守るために、開発業者には繰り返し嫌がらせを行い妨害している。そういう生活を綴った物語の中で、美しい海の自然の中で、象徴的に巨大魚であるブルーバックとの交流が描かれる訳である。
僕自体は自然保護というのは、当然大切な考えだとはわかっている。ただしその為に何をやってもいいとは思っていないだけのことである。失われた自然は取り返しのつかないことかもしれないし、人間がこれに関与している破壊者であるならば、一定の規制なり保護が必要である。その番人を、特定の個人がしていいのかどうかも問題があるというだけの話である。多くはプロバガンダであり、金もうけや遊びである。自分がそれで食っているのに偉そうなことをしてはならないのである。
しかしながら、一定の暗いトーンではあるものの、海の魅力はよく分かる。ブルーバックは作り物なんだろうけど、よく出来ている。まさにそこらあたりの主であり、象徴的な自然の王様のような存在なのだろう。奇妙な映画ながら、教育的でなければ、多少は評価されてもいいかもしれない。