
スポンティニアス/ブライアン・ダッフィールド監督
高校三年生の生徒が、何の前触れもなく爆発してしまう(要するに死ぬ)。もちろん大事件になるが、その後も爆発してしまう生徒が続出していく。その理由が分からないし、もしかしたら伝染病かもしれない。または、何かの呪いのようなものなのか。誰がいつそうなってしまうのか分からない恐怖に、当事者たちはおおいに戸惑い逃げ惑う(当たり前である)。そういう中でも高3なので、それなりに青春を謳歌し恋愛したりしている。受験のようなものもあるし、卒業後は離ればなれだ。多感な時期に最も過酷な状況に置かれていると言えるかもしれない。そうして恋人との関係は深まり……。
妙な映画には違いない。ヒロインも一般的に言って特に魅力的な女の子ではない(いわゆる女優的な美女であるとか、アイドル的な可愛さとは別のものだ)。しかし今どきの皮肉の利いた女の子であって、おそらく反抗期だ。廻りの人間はこの子に対して、このような状況に巻き込まれていることに同情して、温かく見守っている。そうではあるが、当人は、周りに当たり散らし、傍若無人にふるまい人々を困惑させる。ネットではこの子が原因でこうなっているのではないかとまで書き込まれ、それなりに落ち込んではいるのだが……。
文章に書くとショッキングな学園ホラーっぽいかもしれないが、人が死ぬのはショッキングだけれど、内容的には実は、かなり内省的な青春思想物語である。多感な時期に多感なことを刺激された多感な女性が何を考え、どう行動するのか、ということなのだろう。一種の思考実験のようなこともあって、アメリカ的にはありそうなことなのかもしれない。事件はあるが恋愛をして、お互いの愛を深めていく。そうしてそれは、無残にも破壊される訳だ。もう学校も親も関係なくなるのかもしれない。親友とも距離が出てしまう。皆、分かってはいるのだが、本当にわかってもらえている実感が無い。そこにあるのは、つまるところ自分だけの世界と、想いだけになってしまうのかもしれない。
それなりに評価のある作品だったが、まあ、たいしたものではなさそうである。おもしろくなりそうな雰囲気はあるけれど、そうはならない。ちょっとアイディアを使って、考えすぎてしまったかな、という感じだ。大人もみんな弱い存在で、しかしこれは仕方ないのである。卒業しても頑張って下さい。