かわせみ側溝から

志は低空飛行 

ルーティンも時間作りから



 日常の散歩は、わざわざ時間をやりくりして行っている。だから、どうしても忙しくて時間を作れない日がある。ずっと人と一緒で、行動が制限される日もある。そういう日は、歩数に関してはあきらめるよりない。トイレに行き来するくらいでは、何千という歩数になることはあり得ない。よっぽど移動する会議などで、相手も歩くのを厭わないという場合があればいいが、そんなケースはめったにない。むしろ気を使って、タクシーを拾ったりする。まだ時間もあるし歩ける距離なのに、何だかもったいないし、口惜しい。でも相手のためである。少なくとも、そう自分に言い訳している。本当は相手の人も、歩きたかったもしれないけれど……。
 それで結果的に一日目標にしている歩数に達しない日が生まれると、自分の言い訳にしてきた理由などを思い出し、ふがいなく思う。ちょっと用事を思い出した風にして席を立ち、10分くらいフラフラ歩いても良かったのかもしれない。やはり移動時に、さっと一人だけ目的地に歩いて行っても良かったかもしれない。トイレに行くのにワンブロック遠くの建物を選んでも、良かったかもしれない。まあ、それでも焼け石に水だったかもな……。そうも思うが、結局諦めたのは確かだ。僕は敗北したのだ。
 歩く時間が比較的取れそうな、なんとなく余裕のある日だってある。そういう日は逆に、歩こうという意欲が減退するような気がする。せっかく時間があるから、あれも検討しておこうとか、少し丁寧に片づけてみるか、とか。本当に部屋の掃除を始めてしまったりする。書類の下に思わぬ文庫本を見つけて読みふけってしまったり……。いかんいかん。その時間に30分くらいは歩けたかもしれない。そうしてまた夕方になって時間に余裕がなくなったことに気づく。少なくともこれを片づけてから帰るとすると、帰る前に15分くらいしか散歩できない。目標数に2000歩ほど足りないかもしれない。ああ、どうしてこうやりくりが下手なんだろう。夕方かかってきたあの電話が大きかったな。今から片づけられる案件じゃなかったのだ。なんも言ってこないから、放って置いた僕も悪いが、そんなに重要なら、もっと早くからどうにかしてくれたら良かったのだ。
 計画通りにはなかなかいかないので、昼食の後、そうして帰る前の一定時間。必ず外に飛び出して歩けるだけ歩く。雨が激しかったり、そうして別の予定が詰まると、やはりこれもかなわないが、できるだけ決まった時間を確保したい。ささやかだが、強くそう思いたい。